日付が変わる少し前の時間には両親共寝てしまうことが多いので、家の中で起きているのは私だけになる。今日ももれなくそう。
この街はマンションジャングルだけれども、23時も過ぎれば外には人通りはほとんど無くなり、海沿いの道を走るトラックのタイヤの音しか聞こえない。
自分の勉強机はベランダの真横にあって、この時間なら右を向けばいつでも、窓ガラスに映るボサボサ頭にメガネをかけて適当なトレーナーを着た22歳と目が合う。
今日は日中とことん冴えなくて始終イライラしていたけれど、そういう時ほど日付が変わる少し前の時間から、ふらっとトイレに立つみたいに隣の窓を開けて、バイバ〜イとなんなら手を振りながらベランダの手すりを越えられる気がしてくる。
ここで、ひょいと越す手前までの想像に留めておくのがこの自慰行為のポイントである。
なんてたって自由で、やることはあっても縛られていない感覚(よくない)
この時間なら明日はまだ遠く、でも苦痛の今日は終わった、この解放感
日中もずっとこのフワフワ感でいられればもっと楽になれるんじゃなかろうかと、朝起きたら自分の考えなのに全く理解できなくなる考えを書き散らかして作業に戻る。